童謡『汽車ポッポ』の裏話

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当たり前のことが当たり前ではないのかもしれない……

皆さんが常に当たり前だと思っていることは実は当たり前ではないのかものかもしれません。これまでにたくさんの方が苦労してその状況をつくり出してくださったことが多いですよね。

例えば、東京の観光名所を挙げてみましょう。現在も毎日多くの人が訪れる東京スカイツリーは2012年に完成しました。僕は昭和生まれですし、それまではタワーといったら「東京タワー」でした。

僕は今も東京タワーが好きです。昼間の顔、夜の顔などさまざまな表情を見せてくれるので今でも見るたびににやけてしまいます。僕の会社も都内にあるので、気晴らしでそのあたりを散歩するだけでずいぶん気分転換になります。ぶらぶらしたいときは必ず増上寺とセットで行きますね。

今はあまり見なくなりましたが、現在も東京タワーのテレフォンカードをたくさん持っています。子どもたちは「トレカ」ですが、僕は「テレカ」です(笑)。昔は、公衆電話に並んだ時代もありましたね。懐かしいです。

かなり話が脱線してしまいましたね(鉄道に脱線はいけませんね(笑))。まあ、何が言いたいのかというと、日が経つごとに時代が変化していくということです。

僕が幼いころから聞いていた童謡も最近になって歌詞が変わったということを知りました。その童謡が鉄道関係だったのでここで紹介したいと思います。

それは『汽車ポッポ』という曲です。「汽車 汽車 ポッポ ポッポ」この曲ですね。今回はその内容について紹介していきましょう。

今や子どもたちに人気の曲『汽車ポッポ』

あなたは『汽車ポッポ』の曲を聞いたことがありますか? もし、あなたにお子さんがいたり、保育士などをしているのであれば現在も歌っているかもしれませんね。わからない人もいるでしょうから、そのような人のためにちょっとだけ歌詞を見ていただきましょう。

汽車 汽車 ポッポ ポッポ
シュッポ シュッポ シュッポッポ
僕らを乗せて
シュッポ シュッポ シュッポッポ
スピード スピード 窓の外
畑も とぶ とぶ 家もとぶ
走れ 走れ 走れ
鉄橋だ 鉄橋だ 楽しいな

このように、子どもたちが笑顔で口ずさんでしまうような楽しい歌詞ですよね。僕も鉄道員をしていたということもありますが、聴くだけで楽しくなってくる曲の一つです。
しかし、この曲は途中で歌詞が替えられたことを知っているでしょうか?

「えっ!? 元からこの歌詞じゃなかったの?」と思う人もいるでしょう。はい、実はこの曲は高齢の方が聞くと少し悲しくなる曲なんだそうです。確かに同じ曲を聞いても自分の置かれている状況などによって、心の中に入ってくる内容が変わってきますよね。

ではこの『汽車ポッポ』の曲が作られた当初はどのような歌詞だったのでしょうか。

実は『汽車ポッポ』は戦時中に作られた出兵の歌だった

実はこの『汽車ポッポ』という曲は、元々『兵隊さんの汽車』という戦時中に作られた曲です。子どもたちが出征する兵士を見送る歌だったのです。このことは歌詞を見ていただければお分かりいただけますので、まずは歌詞を見ていただきましょう。

汽車汽車 ポッポポッポ
シュッポシュッポ シュッポッポウ
兵隊さんを乗せて
シュッポシュッポ シュッポッポウ
僕等も手に手に 日の丸の
旗を振り振り 送りませう(送りましょう)
萬歳 萬歳 萬歳
兵隊さん 兵隊さん 萬々歳

いかがでしょうか? このように戦時中、汽車で出兵するときに奥さんや子どもたち、兄弟が大切な人を見送るときに歌っていた曲だったそうです。

今では幼い子どもが「電車見た~い!」といって駅や沿線に行くかもしれませんが、戦時中は大切な人の命を連れて行ってしまうという悲しい乗り物だったのですね。

そして1944年、戦争が激しくなると男手が足りなくなり女性も鉄道の乗務員になっていきました。現在では、女性の運転士もいて華やかなイメージがあると思いますが、日本初の女性列車運転士というのは、このような状況で生まれたということなんですね。

そして、中には自分の運転する列車に夫を乗せて戦地に送り出す妻もいたようです。どのような気持ちでいたのかを考えるだけで胸が痛くなります。

確かにこの時代は、そのようなことは言えない時代だったのかもしれません。しかし、現在は鉄道員に憧れて一生懸命努力をしている人もいます。

いずれにしても、どの時代においても「鉄道員」という職業は日本国民にとって必要不可欠な職業というわけですね。

作った人の想いが乗っている

いかがでしたか? 実は『汽車ポッポ』の曲にはこのようなストーリーがあったんですね。現在、戦時下の国もありますが、家族の人はこのような気持ちなのかと考えると本当に胸がギューっと締め付けられます。

どのような曲であっても、作詞作曲した人の気持ちがこもっていますよね。例えば恋愛の曲であれば、恋人の淡く切ないシーンなのか、それとも衝撃の出会いのシーンなのかさまざまなシーンがありますし、いつもそばにいてくれることに対して感謝の気持ちを伝えるというような曲もあります。

これは音楽だけではないですよね。料理であっても、僕のような物書きであっても作った作品には気持ちを乗せています。自分自身で楽しむだけならいいですが、それらを楽しみにしてくれている人たちがいます。

僕自身も、毎日たくさんの人に笑顔になってもらいたいと思って、このような記事を書いたり、TikTokの投稿や配信をしたりしています。そこに共感してくれた人と繋がれるってすごく素敵ですよね。

僕は文字と映像でたくさんの人と繋がっていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。

また、鉄道に関する記事を投稿していきたいと思っていますので、今後も遊びに来てくださいね。

では、また♪


「2007年にJR東日本の車掌となる。車掌による英語での車内アナウンスがなかった当時、独学で英語を学び、車内英語アナウンスを決行。すぐに動画サイトやSNS上で話題になり「英語車掌」と呼ばれるようになる。2019年に退社し、鉄道、英語にかかわる事業を立ち上げ活動中。
関大地さんの紹介ページは→こちら

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