
駅のホームで待ち合わせ!? それ、アウトです!
[ WEB車掌SEKIDAIの「新たな世界に駆け込み乗車」 ~乗って気付いた異次元な世界!~ ]
駅での待ち合わせ場所には要注意!?
あなたは、駅で友人や知人と待ち合わせをする場合、場所はどこを選びますか? 渋谷駅なら「忠犬ハチ公像」の前だったり、大宮駅なら「豆の木・行きかう線(通称:まめの木)」のように、駅のシンボルなどわかりやすい場所を選ぶでしょう。
中には「そういった場所は混みあうから、近くの喫茶店やファミレスにする」という人もいると思いますが、電車を降りてすぐの場所で待ち合わせをする人が多いイメージです。
特に学生は、みんな授業の時間が同じということもあり、グループで登下校する人もいます。学校の最寄り駅で集合・解散する人もいるでしょうから、そういう人は今回の記事をしっかり読んでいただきたいと思っています。
「自分は大人だから関係ない」と他人事のように考えている人は、自分のお子さんに目を向けてくださいね。実はこの待ち合わせ場所によって不正をしてしまっている場合があるのです。
不正は“故意にやる行為”だと思っている人も多いのですが、実はその大半は知らずのうちにやってしまっているケースがほとんどなのです。要は知識不足です。「この行為が不正になるなんて知らなかった……」と事後にその事実を知るわけです。
では、待ち合わせ場所で気を付けなくてはならないのはどこでしょうか? それはズバリ改札内です。驚いた人もいるかもしれませんが、その理由を見ていきましょう。

その行為、セーフそうで実はアウトです!
まずは、都区内や大都市近郊区間(東京・大阪・福岡・新潟・仙台)のエリアで電車を利用している人は特に注意してくださいね。これは「ローカル線だから大丈夫」ということではありません。ただ、“その状況が多く訪れる”というそれだけの理由です。
僕の出身である群馬県の中之条町は吾妻線が走っています。この路線はいわゆる“ローカル線”です。同級生同士で「今日は4時電で帰る?」「いや、今日は補習(部活)があるから6時電かな」というような会話をしていました。
これは、ローカル線を利用している人は「言ってる、言ってる!」と共感してもらえると思います。運転本数が1時間に1本程度ですから、4時(16時)台の電車、6時(18時)台の電車で通じるわけですね。
逆に東京都内の主要路線を使っている人は、「来た電車に乗る」という感覚ですね。僕も東京で移動する際には発車時刻なんてほぼ気にしたことがありません。気にするとしたら始発と終電くらいでしょうか。
では、ローカル線と主要路線なら、どちらのほうが改札内で待ち合わせをする機会が多いでしょうか? それは主要路線です。
ローカル線は、先ほども説明した通り1時間に1本程度の運転本数ですから、部活動の朝練などがなければ、大体同じ電車で登校しますね。この場合は、友だち同士で同じ電車に乗ってきていることが多いですから、待ち合わせは必要ありません。
しかし、都区内や大都市近郊区間内の人はどうでしょうか? 都内では3~5分間隔で電車が走っていますから、違う電車に乗ってきて駅で待ち合わせることもありますよね。こういう状況のとき、この悲劇が起こりやすいのです。
例えば、AさんはSEKIDAI駅(仮名)に8:15に到着し、改札を出て学校に向かっていました。そこに友人のBさんから「俺、8:25に着く電車で向かっているから待ってて」と連絡があり、AさんはSEKIDAI駅に戻ることにしました。
駅の近くには座って待つような場所もなかったため、Aさんはもう一度通学用の定期券で改札の中に入り、ホームのベンチでBさんを待つことにしたのです。
Bさんは予定通りの電車で到着して、改札を出ようとしたところAさんは改札口で駅員に止められました。なぜでしょう? 実はAさんのこの行為は不正だったのです。

改札内での待ち合わせには○○が必要!?
Aさんは、自分の行為が不正になった事実を受け入れることはできませんでした。「通学定期券」を持っていて乗り降り自由のはずなのに、不正になってしまったからです。
この理由がわからない人は、不正予備軍かもしれませんから、これから僕が言うことをしっかりと押さえておいてくださいね。それは、“電車に乗らなかったから“です。
頭の中に「?」マークが出た人もいるでしょう。そうです、電車に乗らなかったから不正になってしまったのです。
Aさんは8:15着の電車を降りて改札口を出ました。そこでBさんからの連絡を受けて、再度駅の改札内に入ったのです。そして、電車には乗らずBさんを出迎えてもう一度改札の外に出ました。そう、電車には乗っていませんね。これが不正なのです。
定期券の正式名称は「定期乗車券」といいます。そのため、もちろん電車に乗ることはできますね。しかし、電車に乗らないのであれば「入場券」が必要です。このことを知らない人が実に多いのです。
他にも便意を催した場合も同様です。トイレが改札内にしかなく電車に乗らずにトイレだけ使う場合も入場券が必要ということを覚えておいてくださいね。

鉄道は誰でも使うが、ルールを知っている人は意外と少ない
「ケチだな! そのくらい、良いじゃないか!」と思う人もいるかもしれませんが、ルールはルールです。ボーダーラインがあるから秩序が守れるのです。
サッカーでゴールキーパーしか手を使えない、バスケットボールはボールを持ったまま3歩以上歩いてはいけないというルールがあるので成り立っています。
今回のケースでは、自分が先に駅の改札内で待っていて、後から友だちと合流して電車に乗るのであれば全く問題ありません。改札に入って電車に乗るわけですから。しっかりとこの「定期乗車券」の意味を理解しておくことが大切ですね。
今後もあなたが知っていそうで意外と知らないこともお伝えしていきますので、また遊びに来てください。なお、僕のTikTok(https://www.tiktok.com/@eigo_shasyou)ではこのような事象を動画でわかりやすく解説していますので、もしよろしかったらそちらもご覧ください。
では、また♪

「2007年にJR東日本の車掌となる。車掌による英語での車内アナウンスがなかった当時、独学で英語を学び、車内英語アナウンスを決行。すぐに動画サイトやSNS上で話題になり「英語車掌」と呼ばれるようになる。2019年に退社し、鉄道、英語にかかわる事業を立ち上げ活動中。
関大地さんの紹介ページは→こちら
定期券は「駅の中では何でもOKの万能券」だと思っていました。
そうではない,きちんとしたルールがあるのですね。
いろいろな知識を得られて、よかったです( ◠‿◠ )