
金運含めあなたの人生を豊かにする最強の組み合わせ、教えます。
[ 意外に知らない宝石の裏話 ~パワーストーン店20年監修者が教える ]
金運の上げ方は一律ではない。職業も環境も人それぞれだから
今回は「パワーストーンの組み合わせ第二弾」といたしまして、「金運アップに役立つ石」と「あなたを豊かにする石」の組み合わせについてお話ししようと思います。
まず最初にやるべきことは、「自分にとっての『金運』はどうすればアップするのか」「どうすれば自分は『豊か』といえる状況になるのか」を考えることです。
金運に絞って例を挙げてみましょうか。
金運の上げ方は人によって違います。たとえば営業成績によって報酬の額が変わるお仕事の方もいらっしゃるでしょうし(例:保険外交員の方)、仕事内容にかかわらず毎月定額の方もいらっしゃるでしょう(例:公務員の方)。
副業が推奨されている会社もあれば、禁止されている会社もあるでしょう。その人がどんなお仕事をなさっているのか、どういう職場環境にいらっしゃるのかによって、その人に適した金運アップの方法も変わってくるのです。
となると、「金運アップに役立つパワーストーンの組み合わせ」も、人によって様々だということになります。
そのことを念頭に置いたうえで、まずはオーソドックスな組み合わせからご紹介いたしましょう。何事も基本が大事ですからね!

タイガーアイ・ルチルクォーツ・翡翠(ひすい)・ラピスラズリ・ターコイズ(トルコ石)の組み合わせです。
ルチルクォーツに関しましては以前お話ししたと思いますので、それ以外の石のご説明をいたしましょう。
石焼ビビンバとアスベストともゆかりの深い「タイガーアイ」
まずは「タイガーアイ」、和名:虎目石。石英(要するに水晶)の仲間です。モース硬度(鉱物の硬さを表す単位)は6から6.5。濃い金色の中に走る黒い縞模様が特徴の石です。見た目が「虎の目に似ている」ことからこの名前がつきました。

「虎の目に似ているって言われても虎ってどんな目をしてたっけ?」とお思いの方もいらっしゃることでしょう。ご安心下さい。そんなこともあろうかと思いまして、本物の虎さんもお招きしております。

(虎の中でも最大の体躯を誇るアムール虎のIndy嬢です。皆さん拍手でお迎え下さい。)
なぜタイガーアイがこんな虎目模様になったのかをご説明したいとこなんですが、ちょっとややこしいんですよねぇ。できるだけ簡単に駆け足で解説いたしますので頑張ってついてきて下さいね。
ええっと、石焼きビビンバ(ピビムパプ)ってご存知ですか? 焼肉屋さんとかで扱っていらっしゃるお料理なんですけどね。

この黒い石の器は「角閃石(かくせんせき)」っていう石でできているんですけれども、その角閃石の仲間に「リーベック閃石(りーべっくせんせき:リーベカイト)」っていう石があるんですよ。
このリーベック閃石が繊維状になると、「クロシドライト」という別名で呼ばれるようになります。悪名高きアスベストの中でも最も発がん性が高いと言われる「青石綿」の正体がこの「クロシドライト」です。

(クロシドライト:別名「青石綿」の繊維状結晶。この細かな石綿繊維の破片を長期間吸入すると肺癌や中皮腫の誘因となる。)
ま、今は「肺癌」が主題ではないので、アスベストに関してはこの辺にしておきましょう。
この繊維状のクロシドライトが、石英質(要するに水晶の元みたいなもの)がたっぷりと溶け込んだ熱水に浸食されると、「繊維状の骨組みの中が石英で満たされた石」になっちゃうことがあるんです。
んで、その熱水は石英質と同時に鉄分も含んでいたものですから、含まれていた鉄は酸化して(錆びて)黄色くなって(ちゃんと言うなら鉄の酸化鉱物であるリモナイトへと変化して)、タイガーアイが出来上がった…というわけなんですよ。
つまりあの縞模様は、クロシドライトの繊維状結晶時代のなごりです。
(一世紀以上の間、タイガーアイはクロシドライトの石英疑似形態として考えられていましたが、最近、「石に亀裂が生じる→亀裂が修復される」という過程を繰り返したことによってあの縞模様が出来上がったのだという新説も浮上しています。個人的には無理がある説だと思うんですけどねぇ。)
ははは、ちょっとややこしかったですか?
今回はこれ以上小難しいことは言わないようにしますから、気を取り直して「金運アップに役立つパワーストーン」の話を続けましょう。
「鬼は外」と「福は内」の両方を備えた「節分」のような石!?
で、このタイガーアイは、金運アップの石としてパワーストーン愛好家さんたちには広く知られている石でもありますが、元々の効用は「金運」に限定した話ではありませんでした。
タイガーアイは「持ち主を豊かにする」石だと言われてきたんです。その「豊か」の意味合いが、現代のこの世では「たくさんの金銭」として考えられるようになってしまっただけなんですよ。いやはや、世知辛い世の中ですなぁ!
タイガーアイのもうひとつの意味合いとして、「邪気を祓う」というものがあります。
ヒンドゥー教のシヴァ神が額に持っている「第三の目」と同じ力があると信じられてきたんですよ。
ま、「好事魔多し(物事がうまく進んでいる時ほど、邪魔が入りやすいという意味)」と言いますし、豊かさのついでに魔も祓ってくれるなら万々歳です。そんなわけで、一粒で二度おいしいこの石を金運アップに組み込まない手はありませんね!

(額に『第三の目』を持つヒンドゥー教最高神の一柱:シヴァ神。ただ、彼の第三の目は「人の欲を焼いて灰にする」と言われているので、あまり金銭だけを「豊かさの象徴」として追い求めるのは本末転倒じゃないかなと思います。もっと広い意味合いで「豊かさ」を捉えたほうが、タイガーアイの本来の力を引き出せるんじゃないかなぁ。)
ルチルクォーツの項でも申し上げましたが、ルチルクォーツとタイガーアイは、隣同士に配置するとお互いを強め合う効果がございますので、一粒で二度おいしいタイガーアイが三度おいしいくらいに強化されるこの組み合わせをぜひ取り入れてみてください。
この2種の石だけでも「豊かさを求める組み合わせ」としては十分なんですが、「波乱万丈だけど結果として豊か」よりも「平穏無事でしかも豊か」な状態のほうがよいに決まっていますので、幸運招来・不運排除に役立つと言われている他の石も少し足してみることにしましょう。
モーセの十戒でもお馴染みの「ラピスラズリ」で幸運招来
その「幸運招来」の代表となる石が「ラピスラズリ」です。和名:「瑠璃(るり)」。モース硬度は5から5.5。9月&12月の誕生石ですな。
この石は古代ギリシャ時代から「幸運を運ぶ石」として珍重されてきました。
たとえば旧約聖書でモーセ氏(ヘブライ人を率いて紅海を割ったり謎の白い食料を天から降らせたりしたファンキーな預言者さん)が神より授かった「十戒が刻まれた石板」にもこの石がはめ込まれていたと言われております。
日本でもラピスラズリは「仏教の七宝(仏教において貴重とされる七つの宝のこと。一説では金・銀・ラピスラズリ・シャコ貝の殻・水晶・珊瑚(さんご)・メノウだと言われる)」のひとつとして扱われてきました。奈良の正倉院には、この石が飾られた牛革製のベルトが納められているそうですよ。

(濃い青地の中に散らばる金色が美しいラピスラズリ。「青金石(せいきんせき:ラズライト)」をはじめとする5種類ほどの鉱物が互いに混じり合い、ひとつの塊となっているところに黄鉄鉱(おうてっこう:パイライト)の粒が入り込むとこんな色合いになる。)
産地はトルコじゃないのに「トルコ石」。不運排除にもってこい
ラピスラズリ以外にも「幸運招来・不運排除」に役立つ石はございます。
例えば「不運排除」代表格の「ターコイズ」。和名:トルコ石。モース硬度:5.5から6程度。ラピスラズリと同じく12月の誕生石ですな。
数千年の昔から宝飾品として人々に愛されてきた美しい石です。

(ターコイズの成分中、銅が多くなれば青くなり、鉄が多くなると緑がかった色になる)
「トルコ石」とは言うものの、この石の有名な産地は2000年以上前からペルシャ(今のイラン周辺)です。その昔、トルコ経由で地中海を渡りヨーロッパに広まりましたので、「トルコの石」呼ばわりされちゃっただけなんですよ。
トルコ石のくせにトルコじゃ採れないという矛盾したネーミングの石です。流通量でいうなら、アメリカのアリゾナ州産のものが多いんじゃないかなぁ。中国でも結構採れますよ。
ターコイズはね、18世紀のヨーロッパでは「落下(落馬とか)事故から身を守るお守り」として男性に大人気だったんですよ。古代エジプトではスカラベ(コガネムシのこと:古代エジプト時代この虫は太陽神ケプリの象徴だった)の形に彫られてファラオ(王様)と一緒に埋葬されたりとかね。
この石は「降りかかる災厄を退け、進む道を守る」お守りとして昔から人々に重宝されてきたのです。そんなわけですので、この石も「幸運を運ぶ石」であるラピスラズリと同量程度ブレスレットに組み込むと、より一層「幸運招来・不運排除」が強化されると思いますよ。
「奇跡を呼ぶ」翡翠(ひすい)。本来は緑色ではありません。
あと他に入れるとするならば「翡翠(ひすい)」でしょうかね。

翡翠(ひすい)。英語名:Jade(ジェイド)。モース硬度:6.5から7。
この石はとにかく「他の緑色の石」と混同されがちです。
実は翡翠本来の色は透明から白色なんです。
化学組成はNaAlSi2O6(雑に言うならナトリウムとアルミニウムとケイ素と酸素がくっついている)。緑色の元となる鉄もクロムも入っていないんですよ。

(本来の翡翠はこんな色)
「えっ、翡翠って緑色じゃないの!?」という声がここまで聞こえてきそうですが、まぁ落ち着いて…。実は「翡翠」呼ばわりされている石には3種類ございます。そのうち1種類は翡翠とは全く関係のない石なのでそっちを先にご説明しましょう。
「インド翡翠」って名前で売られている緑色の石があるんですけれども、これは翡翠ではなく「アベンチュリン(砂金石)」という別の石。緑色をしているのはクロム(Cr)が含まれているからです。
クロムが含まれると鉱物はたいてい緑色になると覚えておくといいでしょう(例外もあるけど)。
で、残りの2つですが、実は日本で翡翠呼ばわりされる緑色の石には「硬玉(ヒスイ輝石:ジェイダイト・ジェダイト)」と、「軟玉(ネフライト)」の2種類があるんです。
この2つは全く違う鉱物なのですが、なぜか両方とも「翡翠」として扱われることが多いんですよ。まぁ心配だったら不透明で緑色の濃いものではなく、白色に近い「翡翠」をお買い求めになれば本物の翡翠である確率が上がると思いますね。
そうそう。
翡翠は白色や緑色だけではなく、薄紫(ラベンダー)っぽいものや黒っぽいものもありますけれども、さっきも申し上げましたとおり、翡翠本来の色は透明~白色です。
それ以外の色であるということは、その翡翠には「翡翠本来の成分」以外のものが混ざりこんでいるということになります。クロムや鉄が混ざって緑色になったり、炭が混ざって黒くなったりとかね。
まぁでもやはり、日本では濃い緑色の翡翠が一番人気です。「琅玕(ろうかん)」と呼ばれる透明度が高くテリのある緑色の翡翠は本当に美しいですよ!
だからと言って白っぽい翡翠には価値が無いんだなどとは思わないようになさって下さいね。それこそが本来の「翡翠」なのですから。
翡翠は古代中国では「不老不死の石」「若返りの(生命再生の)石」として珍重されてきました。
腕輪や指輪などの装飾品だけでなく、王侯貴族の遺体を覆う衣類(玉衣:翡翠のビーズを金の糸で繋いで作られる衣)に加工されることもありました。翡翠に宿る霊力が、死者の肉体を永遠に保つと考えられていたからです。
中国だけでなくメソアメリカ(マヤ文明とかアステカ文明など)やニュージーランドでは腹痛を和らげる石としておまじないに使われていたこともあるんですよ。
つまり世界のあちこちで、翡翠は「奇跡を呼ぶ石」「天の加護を得る石」として古くから人々に大切にされてきた石なんです。
シーンを選ばず日常使いにも長けた、まさに最強の組み合わせ
そんなわけで、役者が出揃ったところで話をまとめますと、「持ち主を豊かにする」タイガーアイと、タイガーアイを強化するルチルクォーツ、「幸運を運ぶ」ラピスラズリと「不運を遠ざける」ターコイズ、そしてダメ押しに「奇跡を呼ぶ」翡翠の組み合わせは、これ以上無いと言っていいほどあなたを平穏無事かつ豊かな状態に押し上げる最強の組み合わせだと言えるでしょう。
どの石もモース硬度が5以上はありますので、日常的にお使い頂いても砕け散ることはないでしょうし、色合いもそこまでケバケバしいものではないので悪目立ちすることもないでしょう。いかがですか?
いやぁそれにしてもここまで長かった! 小難しい話もちらほら出しちゃいましたしね。読んで下さった皆さまもお疲れ様でした!ヾ(´▽`)ノ
次回は何の石の話にしましょうかねぇ。
そういえばこのデジタルデンのコラムにはコメントを残すことができるそうですので、もしよろしければ「この石について語れ!」とか「〇〇に役立つ組み合わせについて書け!」などというリクエストを頂けましたら幸いです。
それではまた!

1980年代より占術、呪術に興味をもち、独学にて勉強を始める。その後、3人の有名・無名な師匠につき、占術・呪術、およびそれに附随する基礎知識、語学、歴史学、民族学、脳科学などを広く学ぶ。紫乃女さんの紹介ページは→こちら
モルダバイト…モルダバイトを是非お願いいたします!
(あと、リビアングラスもよろしければ…m(_ _)m)
モルダバイトは現在偽物王国真っ盛りなので(しかも見分けがつかない!本物も偽物もしょせん「ガラス」だから)、下手に皆さんにご紹介しますと偽物を掴んじゃう方を大量生産するだけのような気がするんですよねぇ。
既出じゃなければサンストーンを伺いたいです…
いいですね!
サンストーンは偽物も多いので腕が鳴りますよ!ヾ(´▽`)ノ
いつも楽しく拝読しています。可能であれば、フローライトについてのコラムを読んでみたいです。
フローライトはあたしも大好きな石(でももろい…)なので、題材にしたいと思います。
カラーバリエーションがたくさんあるので良い参考写真を探しておきますね。
紫乃女さまのファンです!
ミッドナイトレースオブシディアンについての見解を是非聞きたいです。よろしくお願い致します。
ミッドナイトレースオブシディアンはコーカサス山脈(アルメニア)で最初に発見された鉱物ですね。
カリフォルニア州デイビスクリークやオレゴン州グラスビュート、ネバダ州北西部でも見つかっていますが、有名産地はやはりコーカサスでしょう。
成分としましては、二酸化ケイ素の他に、アルミニウム、カリウム、カルシウム、チタン、マンガン、鉄、微量のルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウムが含まれていることが分かっています。
縞模様で綺麗な石ですよね!