
バリスタってどんな仕事?いろいろな質問に答えてみた
[ ~元コーヒー嫌いのバリスタがコーヒーで生活を豊かにするコツ教えます~ ]
過去2回の記事で、コーヒーのこと、カフェのことについて書かせていただきました。そして、今回は私の仕事でもある「バリスタ」について質問形式で書かせていただきます。バリスタという仕事は少しずつ認知されてきていますが、まだまだどんな仕事なのか知らない方って多いと思います。ぜひ、この記事を通して1人でも多くの方にバリスタのことを知ってもらえたら嬉しいです。
バリスタの仕事
ーーバリスタって何をする人?(店員さんとは違うの?)
バリスタはイタリアで生まれた職業で、バールのカウンターに立ち、客からの注文を受けてエスプレッソをはじめとするコーヒーを淹れる人のことです。バールとは、イタリアのカフェや喫茶店のこと。コーヒーだけでなく、軽食やスイーツ、お酒を楽しむこともできます。
ーーお店にいる人は全員コーヒーをいれられるの?
必ずしも全員とは限りません。コーヒーを淹れる器具によって異なってくると思います。
たとえば、ボタン1つ押せば作れてしまうような全自動のコーヒーマシンなら、誰でもできると思います。一方、ハンドドリップなど手作業のものは、ある程度訓練をしないと淹れることはできません。お店によって、お客様に提供できるようになるまでの基準があり、コーヒーを淹れていらっしゃる方は、その基準を満たしている人と言えます。
ーー資格は必要?
資格は特に必要ありません。未経験でお店に入社し、実績を積んでいる(?)バリスタはたくさんいます。ですが、バリスタ(コーヒー)の資格もいくつかあり、私も日本バリスタ協会というところが発行しているライセンスは持っています。私の場合、30歳を過ぎてから本格的にバリスタを目指したので、転職をする上で資格を身につけておきたいと思い取得しました。
ーーバリスタに必要な能力は何?
バリスタである前に接客業なので、人と接することが好き。これが一番大切。
あとは、成長したいという意欲があれば大丈夫だと思います。

ーーよく監修といった形で名前が挙がるバリスタはどういうところがすごいの?
知識はもちろんすごいと思いますが、監修をお願いされるということは、外にその人のことを知ってもらっているということ。ですから、発信力がすごいと私は思います。日本にバリスタってたくさんいますが、その中から「この人にお願いしたい!」と思っていただいているわけですから。
ーー1日何杯ぐらいのコーヒーをいれるの?
今のお店ですと、1日20杯くらいです。のんびりしたエリアなので、そこまで来客が多くないのが現状です。お店のある環境によって大きく異なると思います。
ーーエスプレッソマシンはいつも洗っているの?
閉店時にメンテナンスは必ず行います。営業中でも、コーヒーのフィルターを磨いたりすることもあります。
バリスタって楽しい?
ーーバリスタになろうと思った理由は?
キッカケは、スターバックスという会社で学生時代にアルバイトを始めたことです。
当時は、コーヒーが苦手で飲めなかったのですが、スターバックスの雰囲気や店員さんが格好良く見えて
「あそこで働いたら自分もそうなれるかな」
この気持ちだけでアルバイトに応募し、ご縁があって入社することができました。
入社してからは、コーヒーが苦手ながらもテイスティングをしたり毎日勉強していました。苦手ながらもどうにか接客していると
「あのときオススメしてくれたコーヒー美味しかった」
「今度は、なにかオススメのものはありますか?」
こういう声をいただけるようになってきてとても嬉しかったのを、今でも覚えています。
仲の良いお客様も増えてきて、コーヒーを通して人とのつながりができてから、苦手という意識がなくなってきました。
それと同時に、この仕事ってステキな職業だな、やってみたいなと思いました。

ーーバリスタをやっていてよかったことは?
老若男女、さまざまな業種、いろいろな方と出会えるのがおもしろいです。
仲良くなって、プライベートでもおつきあいのある方もいらっしゃいます。
これだけいろいろな方と接することができる仕事って、なかなかないと思っています。
ーー逆に大変なことは?
飲食業でありがちな長時間勤務は普通にあります。正社員で働いていると、シフトがいないとき、忙しい時間帯に1人で営業しないといけなかったりもします。あとは、土日は基本休めないです。
ーー得意なドリンクメニューある?
ラテアートが好きなので、カフェラテが一番得意です。

ーー入れるのがむずかしいコーヒーは?
どれも難しいのですが、強いてあげるなら「スペシャルティコーヒー」と呼ばれているコーヒーです。以前働いていたお店では、0.1gレベルで味の調整していました。
0.1gレベルで味が変わってしまうので、本当に難しい世界だと思います。
ーー家でもコーヒーいれるの?
正直、全然淹れません。カフェやコーヒー屋さんに行って飲むのが専門です。
ーー個人的に一番好きなコーヒーは?
豆は、国であげるならエチオピアです。華やかな香りとフルーティーな酸味の味わいが好きです。
メニューは、ハンドドリップコーヒー(ブラック)を一番飲みます。淹れている様子を見るのも好きだし、基本ペーパーフィルターを使用しているのでスッキリした味わいになりやすく、それが自分好みです。
ーーコーヒーの魅力は?
コーヒーは、飲料の中で味の変化に与える変数が一番多い飲みものだと思います。
たとえば、同じ豆でコーヒーを淹れても、豆やお湯の量、お湯の温度、淹れるのにかかる時間、気候など。1つの要素が変わると味わいが変わってしまいます。
また、コーヒーは焙煎してから時間が経過すると、そのことでも味が変わってきます。
なので、その時にベストな淹れ方を見つけなくてはなりません。
「コーヒーに終わりはない!」ってよくいうのですが、常に探求しなくてはならないのが魅力だと思っています。
ーーこれまでどのくらいのお店でコーヒーをいれてきた?
転職を9回していて、かけもちも含めると10店舗以上です。
ーーバリスタになるにはどうしたらいいの?(どんな道がある?)
好きなお店を見つけて、そこにたくさん通って店員さんと仲良くなること。
これが1番早そうな気がします。
また、バリスタの求人は、大きな求人媒体に出ていないことが多く、お店の店頭やSNSでお知らせしている場合が多いです。ですので、コーヒー関係者とのつながりをたくさん作っておいた方が、求人の情報が入ってきやすくなると思います。
あと、私の場合はカフェの専門学校に通ったのですが、通うことで先生や学校が求人を紹介してくれることもあります。そういう環境を活用してみるのも良いかもしれません。

まとめ
今回、バリスタという仕事について書かせていただきました。いかがでしたか? 私はこの連載を通して、コーヒーやカフェの楽しさを伝えたいのと同時に、1人でもたくさんの方にバリスタについて知ってもらいたいという想いがあります。今回の記事をご覧いただき、少しでもバリスタに興味をもっていただけたら嬉しいです。もし、バリスタになってみたい!という方がいたら、気兼ねなくご連絡いただけたらと思っています。

コーヒーが嫌いだったバリスタ。年間200店舗以上カフェを巡っています。本業でカフェ勤務する傍ら、SNSやブログでコーヒー関連情報を発信中。柳隆晴さんの紹介ページは→こちら
この記事へのコメントはありません。