いい結果が出ても褒め方でしくじる人、残念な結果が出ても叱り方で成功する人

[ 今度こそうまくいく!自信を無理なくつける方法 ]

明日は節分、「鬼は外、福は内」ですね。人を傷つける鬼のような叱り方に豆をぶつけて撃退し、人を活かす叱り方を身に付けて福を招きいれましょう(笑)。

前回は、「満足“できる”結果が出ても、褒め方を間違うと“恐ろしい結末”を迎えてしまいますよ!」とお伝えしました。今回は、「満足“できない”結果が出ても、叱り方次第で“望む結果”(福が訪れる未来)を手に入れることができますよ!」というお話をします。

人は気づかぬうちに、子供や部下の可能性を全否定している

もし、お子さんがテストで30点を取ってきたら、どんな叱り方をしますか。「今回もテストの点数が悪いな。うちの子はいつもそうなんだから…」と決めつけて
「また、30点じゃないの、勉強しているの?」(行動を否定)
「勉強に向いていないんじゃないの?」(能力を否定)
「勉強する気あるの?」(意識を否定)
こんなふうに叱っていないでしょうか。

気がつかないうちに、お子さんの行動、能力、意識を、叱ることで否定してしまっています。親はそんなつもりはなくても、否定しているのが事実なのです。すると、お子さんはお父さんお母さんから自分(人格)を否定されたと思ってしまいます。自分を否定されたお子さんは、どんな気持ちになるでしょうか。

嫌われたと思って悲しくなってしまいます。悲しくなったお子さんは、テストの残念な結果を改めることはできません。それどころか、お父さんやお母さんの気を引き留めるために悪いことをしたり、一人で閉じこもったりすることもあります。その子の持つ能力、やる気という可能性が奪われていく瞬間です。

これからお伝えすることも、親を上司、子供を部下に置き換えれば、同じことがいえますので、部下を持つ方も参考にしてみてください。

都合の悪いことを否定するのが、人間のメカニズム

一方で、親はどうしてこんな叱り方をしてしまうのでしょうか。それは、自分の中に恐れが生まれているからです。恐れとは例えば、
「成績の悪い子供を持って恥ずかしい」
「私の教育方法が間違っていると責められる」
「我が家は将来、どうなってしまうの」
という気持ちです。
この恐れに耐えられなくなって、お子さんの残念な点数を許すことができず、全否定してしまっているのです。

でも、これは人間のメカニズムなので、防ぎようのないことであります。人は、都合の悪いことが起きると、自分を守るために都合の悪いことをなかったことにしようと否定してしまうのです。

「人は都合の悪いことは否定するというメカニズム」をあらかじめ知っておけば、「そうか。だから私は、子供を否定してしまうのか」と自分の感情に気づくことができます。すると怒りを冷静に受けとめることができて、心が軽くなるはずです。

冷静になった上で、お子さんに本当はどうしたかったでしょうか。それを考えてみましょう。

「結果」と「頑張り」を切り離して観察するのがコツ

本当は、こんなことを言ってあげたかったのではないですか。
「今回は、テストの点数が悪かったことは残念だけど、毎日、机に向かっていたのは知っているよ」と。

お子さんの残念だった点数を冷静になって受け止め、頑張っていた行動を褒めてあげれば、お子さんは嬉しくなって、毎日、机に向かうという行動を続けようとします。

毎日、机に向かい、ちょっとずつでも勉強を続けることができれば、勉強することが習慣になります。放置ではなく、お子さんに関心を持って少し長い目で見てあげれば、テストでよい点数を取れる能力がついていきますよ。

「何をやっているの!」とお子さんの可能性を潰すのは簡単です。でも、お子さんを否定している間は、親に反発することや自分を責めることにしか意識が向きません。これでは、勉強どころではありません。

小さな頑張りに気がついて「頑張っているよね。その調子で次も頑張ろう!」とお子さんの可能性を信じて励ましてあげれば、お子さんは次のテストに意識が向いていきます。

残念な結果は、子供や部下だって、寂しいし悲しいと思っている

結果が出なかったことを残念だと思っているのは、親だけではありません。お子さんも同じく残念がっているのです。誰でもいい点数を取って、認められたいと思っています。

そんなときに「残念だったね」と結果を受け止めつつも、「頑張ったよね!」と励まされれば、お子さんは嬉しくなって、「次こそは!」と頑張ろうとします。叱るときに大切なことは、「次に向けて頑張ろう!」とするやる気を奪わないことです。

人は自分の大変さを分かってくれると、頑張れるものなのです。親にはわからない子供の大変さもあります。気づきにくい子供の大変さを親が分かってあげれば、お子さんは「自分も大丈夫だ。できる!」と自信を持つことができます。

次はどうすればいいのか、一緒に考えてあげよう

その上で、「今回は、何が足りなかったのかな? 次はどうすればいいのか?」と問い掛け、お子さんや部下の意識を未来に向けてあげましょう。子供たちや部下の意識が「次という未来」に向けば、より注意深くなり、いろいろなことを調べたり、まわりを観察したりするようになり、気づきも増えてきます。

少しでも、いい気づきや前進があれば、「いいね!」と言ってあげると、自信は100倍にもなったりします。

忘れてはならないことは、望む未来に向けて、お子さんや部下が動き出す支援をすること。

もし、残念な結果でも「結果は残念だけど、行動はグッドジョブだよ!」と結果を叱りつつも、行動を褒めてあげれば、お子さんや部下の意識は未来に向きます。

(※参考文献:『部下が変わる本当の叱り方』明日香出版社)


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