人間は他人ができないことを証明しようとする生き物。その脱却法、教えます。

[ 今度こそうまくいく!自信を無理なくつける方法 ]

人間の恐ろしい習性「一貫性の法則」を知ってますか?

いきなりですが、お子さんや部下を「できない」と決めつけていませんか?

もしそうだとすると、一貫性の法則に陥る可能性があります。人は一度決定したことを無意識のうちに正当化して、最後までそれが正解だと証明するために思考し行動してしまいます。これを心理学で「一貫性の法則」と呼んでいます。

多くの親や上司は、子供や部下が失敗してしまうと「あの子はできない子」「できないヤツ」と決めつけてしまいます。すると、お子さんや部下が一生懸命に頑張って結果を出しても素直に喜べません。

お子さんや部下が結果を出しているのに、他の人と比較したり、もっと期待値を上げたりして、粗探しを始めてしまいます。なぜなら、「できない」と決めつけているので、できないことを証明しようとする一貫性の法則に陥ってしまっているからです。怖い話ですよね。

例えば、お子さんや部下がそこそこできたとしても、「こんなことしかできないのか」と、せっかくできていることにもケチをつけるようになってしまいます。さらには「自信のないヤツ」とも勝手に評価してしまうことも。これでは、本連載でテーマとしている「自信をつけてもらう」どころではありません。

でも、安心してください。実は私も昔はそうでした。今回も自戒を込めて、決めつけという一貫性の法則に陥ってしまっている状態から抜け出す方法をお伝えしていきます。

「事実」と「考え(期待)」に分ける

例えば、もし自分が大事な話をしているときにお子さんや部下が下を向いていたら、どう思いますか?

「私の話に興味がないのか!」「つかえないヤツだな」「自信がないのか?」と、よからぬことを思ってしまうかもしれません。でも、下を向いていることは「事実」ですが、興味がなかったり能力がないのは事実でしょうか?

それなのに「自信がない」などという自分の考えを事実と捉えて、お子さんや部下を低く評価し、感情的になって怒りをぶつけてしまうことだってあるのです。残念ですが、これが日常的に起きている可能性があります。

ここで考えてほしいことは、「自信がない」は考えであって事実ではありません。しかし多くの人が、その考えを事実と捉えてしまいます。一貫性の法則に陥っているからです。それでは、下を向いている本当の要因を知ることはできません。

一方、下記のスライドのように部下が下を向いている「事実」と、部下に自信がないという「考え」に分けることができればどうでしょうか。

目の前に起きている現象について「事実」と「考え」に分けることができれば、客観的に起きている現象を捉えることができ、冷静になることができます。一貫性の法則に陥ってしまっている状態から抜け出していく瞬間です。

冷静になれば勝ち。事実が明らかになってくる

冷静な状態になれれば、「部下は、なぜ下を向いているのか?」と起きている事実の要因を考えられるようになります。このことはもちろん、お子さんと接する場合も同じことです。

問題の要因を探っていくために、自分の考えを仮説として捉え、部下に「何があったのかな?」と質問して事実を確かめるステップを踏んでいけば、事実が分かってきます。

もし、部下やお子さんが悩んでいることがあれば、悩みを聴く対話を重ねていけば、問題を解決することもできるのです。

このとき同時に、お子さんや部下は不安がなくなり安心な状態になっています。2月16日にアップした記事「不安を抱える子供や部下を「大丈夫!」「できる!」と励ますといけない理由」https://digi-den.net/yoshida-yuji/love-and-like/2022/02/16/8539/のように、お子さんや部下は不安のままでは、前向きに考えることも行動することもできません。

このように、親や上司が起きていることを「事実」と「考え」を分けることで、お子さんや部下の不安を取り除き、安心させることができます。

お子さんや部下に自信をつける親や上司は、自分の「考え」を仮説として捉え、「事実」を確かめながら要因を探り、見えない問題を解決し、お子さんや部下の不安を取り除き自信をつけていっているのです。

誰でもできます。分ける習慣をつければよい

ただ、一貫性の法則に陥ってしまっている状態は、習慣になっているので、「事実」と「考え」を分けることは簡単ではありません。

でも、毎日コツコツと起きた問題を「事実」と「考え」に分けることを繰り返せば、その習慣が身につきます。問題の要因を深いレベルまで掘り下げられ、真の問題解決ができるようになりませんか?


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