
「後悔」なくして自信は生まれず。「失敗」「恥」「意地」と一緒で、すべてはギフト
[ 今度こそうまくいく!自信を無理なくつける方法 ]
人生、生きていくと色々と後悔がありますが、どんな後悔があるでしょうか。今回は、私のたくさんある後悔の中から一つを紹介し、なぜ後悔が自信につながるのかお伝えします。
成功よりも体験そのもののほうが、今後の自信につながる
ところで、魚釣りをしたことありますか? 釣りのインストラクターをしている友人から、こんなことを言われました。「子供たちに釣りを教えていると、かかった魚を逃がさないように、つい手を貸してしまうんだよね」。
ところがある日、同時に二人の子供に魚がかかり、一方の子供にしか手を貸せなかったので、他方の子供は自力でなんとか釣り上げたそうです。
でもその自力で釣り上げた子供は、とても嬉しそうに、はちきれんばかりの笑顔に。さらに、迎えに来たお母さんに向かって「僕、釣ったよ!」と自信満々に釣り上げた魚を見せていたそうです。

この光景を見て、友人はすごくショックを受けました。「魚を釣り上げることも大事だけど、僕は今まで、魚釣りという体験そのものの楽しさを十分に教えていなかった。自分はいったい、今まで何を教えていたのか…」と。
それからは子供たちに、自分で釣り上げる体験を教えていくように方針転換をしました。
また、こんな話もしてくれました。
「魚がかかっても、手を貸さないことで魚を逃がしてしまったとしても、その体験は、次はなんとか自力で釣り上げようという気持ちになる。そんな気持ちで釣り上げたときのほうが、喜びが大きく、自分にもできるんだという自信にもつながるなと感じた」
自分も同じミスをしていたことに後悔
その話を聞いて私は、自分の息子が小学校のときに釣りに一緒に行ったことを思い出しました。息子の竿に魚がかかったとき、私はまるで自分の竿にかかったかのように、息子の竿を奪って魚を釣り上げてしまいました。当時の私は、釣り上げた魚を見せてあげれば、息子が喜ぶだろうと思っていたのです。
しかし、先ほどの釣りインストラクターの友人の話を聞いて、息子の竿を奪うことで、魚を釣り上げる体験をも奪ってしまっていたことに気づきました。釣り上げられなくても、魚と格闘する経験を積ませてあげればよかったのに、と…。すごく後悔の念にとらわれました。

今は三十代になった息子に昔の思い出を聞いてみましたが、竿を奪われたことはよく覚えていないと言っていました。ただ、釣りに行ったという記憶しかなく、何がどう楽しかったのかもそんなに記憶にないのだとか。私は「自力で格闘するという釣りの醍醐味を体験させられなくてごめん」と謝りましたが、あとの祭りです。
人の気持ちを理解する上でも後悔はすごく大事
後悔とは、過去の起きてしまったことに対して「ああしておけばよかった」「こうしてあげればよかった…」と嘆き悔やむことです。
しかしどんなに嘆いても、過去に起きたことはもう変えることはできません。「そんなことわかっているよ」と言いたくなります。
でも、しばらく落ち込みながらも後悔について考えていると、その後悔があるからこそ、今こうして読者の皆さんに後悔や自信についての記事が書けているではないかと思い始めました。そう思うことで、私自身にも自信がみなぎってきました。
記事を書かないにしても、もし後悔することがなければ、後悔している人の気持ちも分からなければ、自分の気持ちも伝えられません。
後悔している気持ちがあるから、このサイトや誰かと会う場面で、後悔している人に「後悔していても大丈夫だよ!」とメッセージが伝えられる。だから後悔は、決して無駄じゃないなと。
息子にも、あのときの後悔があるから優しく接することができるし、これから大らかな気持ちで見守ってあげることができるのかと考えています。
後悔との向き合い方次第で、自分の自信も強くなる
世間では、後悔を悪くとらえてしまう風潮が根強くあるかと思います。そして多くの人は、後悔している自分を残念だと決めつけてしまい、自信を失うことすらあります。
後悔を悪者にしているうちは、自分に自信を付けることもできなければ、誰かに自信を付けさせることもできません。
見方を変えれば、後悔こそが人の気持ちを理解するきっかけとなり、未来への扉を開く原動力になります。後悔がない人には決して開けることのできない扉です。さらには後悔のない人は、その扉にすら気づくこともできないでしょう。

ですから後悔したとき、「私は何をしたかったのか?」「今後はどうあるべきか?」と自分に問いかけ、次に進んでいきましょう。考えて実行していくことで、以前よりも理想的な行動ができ、自信もついてきます。
人生最期に後悔しなければ、すべてよし!
「そうはいっても後悔はやっぱりしたくないよ…」と嘆く方もいらっしゃるでしょう。
しかし、人生の途中の後悔は財産です。自分を動かし成長させるエネルギーとなるからです。後悔があるからこそ、気づけることやできることが増えていきます。
大切なことは、人生最期に後悔しないこと。人生が終わる一秒前に、例えば感謝を伝えていなかった後悔が頭によぎったら、「ありがとう!」と伝えれば後悔でなくなります。
これまで「失敗」「恥」「意地」、そして今回は「後悔」と、多くの人が避けたいテーマをお伝えしてきました。
私が声を大きくして言えることは、すべて無駄じゃないということです。避けたいことにこそ、大切なことが隠れています。避けたいすべてのことは、私を含めすべての人へのギフトではないかとすら思います。
そのすべてのギフトを、読者の皆さんが私の連載記事で多少でも気づいていただいて、人生最期をハッピーエンドに変えていくことが私の願いです。


人の可能性を最大化させ、日本を再び世界のリーダーにする」という未来実現のために、全国の企業に対し「会社の未来を担う次世代リーダーを育成する」ための活動を行う。
吉田裕児さんの紹介ページは→こちら
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