
どんなタイプでも自信を付けさせる【Vol.3】やる気があり果敢にこなすタイプ
[ 今度こそうまくいく!自信を無理なくつける方法 ]
優秀タイプが陥る3つのパターン

優秀だった部下など社員がいつの間にかやる気を失い、指示待ちタイプになる。新しいポジションを任せても成果をあげられずに、自信を失い新人タイプになったりしてしまう。そんなことがないでしょうか。
自信を失い無気力タイプになって辞めてしまうことも珍しくありません。これは部下に限ったことではなく、お子さんにも起きてしまうことがあります。
先の表にあるBエリアの「優秀タイプ」は、失敗を恐れず常にチャレンジします。何も言わなくてもどんどん仕事や勉強をしてくれる頼もしい部下やお子さんです。
でもそれなのに、なぜ優秀タイプの部下やお子さんがいつの間にか無気力タイプになってしまうのか…。その謎を解き明かし自信を付けさせる方法を、優秀タイプが陥る3つのパターンからお伝えします。
【1つ目】有頂天になってしまった場合
1つ目のパターンは、部下が与えられた仕事が十分にできるから自分はもうこれで大丈夫だと思い、チャレンジ精神をなくしてしまうこと。いわゆる天狗(有頂天、傲慢)になってしまう状態。お子さんの場合は、勉強やスポーツができたことで同様の状態に陥ることがあります。
これでは成長が止まってしまい、いつの間にかモチベーションの低いCエリアの「指示待ちタイプ」になってしまいます。
このようにモチベーションが低くなり始めたときは、さらに高い能力(スキル)や意欲が必要となる機会を与える必要があります。部下であれば、「〇〇さんの仕事は申し分ないけれど、君の能力はそんなものでない。だから、この仕事をやってほしい」とレベルの高い仕事を与えていきましょう。お子さんであれば、勉強でもスポーツでも、難易度を上げればいいのです。
個人プレーで成果を出すにとどまらず、チームへ(会社全体へなど、いくらでもスケールアップできます)貢献するなどすれば、一歩ステップアップした意識を持てるようにできますよ。

例えば、「このチームが成果を出すために、リーダーとして〇〇さんに必要なこと何だと思う?」と問い掛け、チームでゴールを達成する意識を持たせてあげましょう。すると部下は意欲を高め、リーダーとして必要なスキルも自ら学ぼうとします。
【2つ目】新しいポジションについた場合
2つ目は、新しいプロジェクトやポジションを任せて失敗してしまうケース。優秀タイプは、優秀がゆえに新しいプロジェクトやポジションを任されます。新しい仕事を任された彼らは、早く結果を出そうとチームのメンバーに指示命令を出します。
しかし多くの優秀タイプは、マネージャーよりもプレーヤーのままの気持ちでいるため、メンバーを巻き込めずチームとして成果を出すことができないことも多いのです。
だから、他のメンバーから反発にあったり無視されたりしてメンバーの協力を得ることなく、仕事はとん挫してしまいがち。結果、優秀タイプでも自信を失ってしまうのです。

そうならないためには、上司のあなたは、結果を出す順番やメンバーの巻き込み方など、リーダーとして必要なスキルとマインドの持ち方を教えてあげましょう。詳しくは、拙著『優秀なリーダーが陥る落とし穴』(kindle)を参考してください。
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部下にしてもお子さんにしても、新しいポジションや勉強がはじまるときは、新人タイプです。前回2022年6月8日の記事「どんなタイプでも自信を付けさせる【vol.2】やる気があるけどスキルの低い場合」https://digi-den.net/yoshida-yuji/category-psychology/2022/06/08/10316/
で紹介したように、成果を出すための手順や気をつけるポイントを具体的に教えてあげましょう。
【3つ目】隠れた不満を抱えている場合
最後の3つ目は、部下やお子さんが頑張っているのに認めてもらえず不満を抱きはじめる場合です。
優秀な部下もお子さんも、自分が頑張っていることを認めてもらいたいと思っています。ところが、その頑張りを誰も気づかないでいると「私には実力がないのかな。私はダメなのかな」と不安になり自信を失ってしまいます。
また「〇〇課長のやり方には問題があります。なんで私一人が頑張らなくてはいけないのですか?」と上司に歯向かってくる場合もあります。
この場合は、言い訳せずに「気づいてあげられなくてごめんね」と謝り、部下やお子さんの話を聞いてあげることが大切です。すべてを聞いた上で「君の頑張りのおかげでチームは上手くいっている」と頑張りを認めてあげましょう。お子さんの場合は「〇〇ちゃん、頑張っているね! パパもママも、嬉しいな。困っていること何かあるかな?」と言ってあげてください。
大切なことは、普段から、挨拶などの声掛けといったことでもいいので、できていることは「できているね!」「偉いね」と認めてあげることです。

仮にできていることが何も見つからなくても、声を掛けてあげることだけでも大事。自分のことを気に掛けてくれているなと、彼らは安心することができますから。
安心した上で、「一年後のこのチームはどうなったらいい?」「そのために君のできることは何?」というように、未来に思考が向くようにしてあげると、やる気が上がり必要なスキルを手に入れようとします。
お子さんであれば「来年は、どうなっていたい?」「そうかそうか、いいね! パパもママも応援しているよ」と伝えてあげると勇気が湧いてきます。
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以上、3つの優秀タイプが陥るパターンは、いかがだったでしょうか。大切なのは、どんな優秀な部下やお子さんでも、自らやる気とスキルを高めていけるように応援してあげることです。
そのために上司や親は、放ったらかしではなく毎日、声を掛け、本人の頑張りを認めてあげたり、困っていることに相談に乗ったりして、必要なスキルを教えてあげたりしましょう。
私の場合はというと、実は…
昔の私、これら3つのパターンをすべて持っていました。優秀だからと天狗になり、それが原因で新しいポジションでまんまとリーダーが陥る落とし穴へ落ちました。そして頑張っていることを認めてもらえず、寂しい思いもしてきました。

私がもっと素直に上司に相談すれば良かったと反省していますが、もし上司が生意気な私にも「どう? 困ったことはないかな…」と声を掛けてくれていれば、もっと優秀な社員になっていたかもしれません(苦笑)。
なので、上司の皆さん。昔の私のように生意気な部下がいても、笑顔で話しかけてあげてください!
※参考文献:拙著『部下が変わる本当の叱り方』(明日香出版社)

人の可能性を最大化させ、日本を再び世界のリーダーにする」という未来実現のために、全国の企業に対し「会社の未来を担う次世代リーダーを育成する」ための活動を行う。
吉田裕児さんの紹介ページは→こちら
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