どんなタイプでも自信を付けさせる【Vol.7】協調的で気配り上手なタイプ

[ 今度こそうまくいく!自信を無理なくつける方法 ]

周りにどんな人がいるのか、ちょっと意識を向けてみてください。話すときの速さ・声の大きさ・姿勢・目線の状態はどうなっているでしょうか。普段気づかなかったかもしれませんが、一人ひとり違うのではないでしょか。

なんで違うかは別の回にお伝えするとして、今回は、話す速さはゆっくりで、控えめに話す友好派タイプに、どうやって自信を付けるのかお伝えします。

協調的で気配り上手は、相手を立てるのが得意

このタイプは、イラストのBエリアで相葉ちゃん・栗山英樹監督・徳川家康になります。このタイプに共通するのは、協調的で気配り上手だということ。

例えば相葉ちゃんは、2004年から出演している『天才!志村どうぶつ園』という番組で、捨てられて保護されたワンちゃんをきれいにして、新しい飼い主を見つける手助けをしています。長年放っておかれたワンちゃんは、汚くて匂いも酷いはずですが笑顔で洗ってあげています。

これだけでも相葉ちゃんが、ワンちゃんの気持ちに寄り添ってあげる優しさが伝わってきます。これは番組の演出だと思われるかもしれませんが、ワンちゃんは嘘をつきません。相葉ちゃんにきれいにしてもらっているワンちゃん達はとても幸せそうでした。

相葉ちゃんの協調的で気配り上手な証拠は、それだけではありません。長時間のロケ移動の際も、スタッフに「大丈夫!」と笑顔で元気付けているエピソードもあります。

野球でいえば、大谷翔平選手を二刀流に仕上げ、メジャー選手に成長させた栗山英樹監督がこのタイプ。誰もが「無理だ」「そんなことありえない」と二刀流を否定していましたが、栗山監督は、大谷選手の意志をしっかり聞き、彼のやりたい二刀流を貫かせ、見事に花咲かせたのです。

これも、栗山監督の一緒に考えるという協調性と、大谷選手の気持ちに配慮するという気配りがあったからに違いありません。

徳川幕府を築いた徳川家康も、この友好派タイプです。「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」の句で有名ですが、幼い頃から人質にとられ、時の人・織田信長や豊臣秀吉に仕えながら、ずっと耐えて天下統一を果たします。これも、相手を立て敵をつくらずに自分のやりたいことを成し遂げる、協調的で気配り上手な友好派タイプのなせる業です。

自信を付けさせるポイントは、人の役に立っているのを伝えること

彼ら3人を見てもわかるように、友好派タイプは相手に配慮し人の役に立とうとします。ただ弱点があり、それは積極性に欠け八方美人になりやすい傾向があること。友好派タイプに自信を付けさせれば、もっと積極的になり、自分の意見もしっかりと言いやすくなります。

そこでまず、友好派タイプに、本人がやっていることがチームに貢献していること、人の役に立っていることを伝えましょう。

例えば自分が上司であれば、友好派タイプの部下を褒める時に、「君の書類は分かりやすいね。みんな助かっているよ!」と、他の人から認められていることを伝えます。

友好派タイプのお子さんには、「〇〇ちゃん、いつもお手伝いありがとう! パパもママも助かっているよ」と、親である自分たちのためになっていることを伝えてあげます。

すると、部下もお子さんも嬉しくなって自信が湧いてきます。人の役に立っていることを必ず伝えましょう。

もし友好派に注意したいことがある場合は、急な変化や時間がないことを嫌いますので、まくしたてることなく、ゆっくりと事情を聞きながら行いましょう。まずは彼らの事情を聞いた上で、不安を取り除いてあげることから始めるのがコツです。

例えば「何か不安なことがあるの?」と問い掛け、「そうなんだ」と相手の不安を受け止め、その不安の解決策を一緒に考えてあげましょう。

意見がない時は、みんなが喜ぶ提案をしてあげると、アイデアが閃き出します。

もし、部下の相葉ちゃんがミスをしたら?

例えば、もし相葉ちゃんがあなたの部下でミスしたとしましょう。どんな叱り方をすればいいでしょうか。相葉ちゃんが、企画書の期限を守れなかったとします。まず「相葉くん、ちょっといいかな」と別室へ呼びます。「企画書の期限が守れなかったようだけど、何かあったの?」と理由を聞きます。

すると友好派タイプは、「すみません。私が悪かったです」と自分のせいにします。そこで「何かトラブルがあったのかな? いつもチーム全体のことを考えてプロジェクトを進めてくれて助かっているよ。もし、困っていることがあれば聞かせてくれないかな?」と言いにくいことを言えるようにフォローしてあげます。すると相葉くんは「実は、調査資料をもらえるのが遅くなって間に合いませんでした」と答えてきます。このタイプは仲間のことをかばうことがあるのです。

そんな時は、「そうか、そうだったのか。それなら次から、そんなことがあったら私に教えてくれるかな。私が力になるよ」とサポートしていることを伝えます。その上で「相葉くんとしては、これからどのように仕事を進めればいいと思う?」と投げかければ、相葉くんは「そうですね。これからはメンバーと進捗の確認をしながら進めていきます」と前向きに考えてくれます。

「いいね! 進捗をメンバーと確認しながら進めるんだね。相葉くんらしいね」と人を大事していることを伝えてあげると、相葉くんは、優しい瞳を輝かせながら自信を付けていきます。

友好派タイプに自信を付けさせる3つのポイント

最後にまとめますと、友好派タイプに自信を付けさせるのは、大きくは次の3つとなります。
・頼りになっていることを伝える
・困っていることを丁寧に聞き、解決策を一緒に考える
・普段から声掛けをして、相談しやすい雰囲気をつくっておく

次回は、理論派タイプ。大野くん、野村克也監督、黒田官兵衛です。お楽しみ!
参考文献:拙著『部下が変わる本当の叱り方』明日香出版社


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