どんなタイプでも自信を付けさせる【Vol.9】すぐに実行したい勝利にこだわる現実派

[ 今度こそうまくいく!自信を無理なくつける方法 ]

今日はいい天気ですね!と言われても、反応が真逆なのはなぜ?

話し掛けられるとき、人の反応は様々です。例えば、「今日は天気がいいですね」と話し掛けられると気持ちよく会話が弾む人もいれば、「そんな天気の話はいいから、早く本題を話してよ」と反応する人もいます。

もし、後者であれば、現実派タイプかもしれません。現実派タイプは、何事も早く解決したい、完成させたいと思っているので、世間話やお天気などの話は無駄だと感じています。感情豊かで人間味ある社交派タイプの私にとって、コミュニケーションをとるのが難しいタイプと言えます(苦笑)

しかし、人はそれぞれ違う個性を持っています。タイプという個性を理解しコミュニケーションをとれば、相手に気持ちよく動いてもらうことができます。今回は、何事もすぐに実行したい勝利にこだわる現実派タイプに、どうコミュニケーションをとり自信を付けていくのかお伝えしましょう。

織田信長が今川義元を討ち取った者よりも、褒美を与えたのは誰か?

この現実派タイプは図のDエリアとなり、嵐のニノ(二宮和也さん)、野球でいえば落合博満監督、戦国武将の織田信長になります。このタイプに共通するのは、何よりも成果主義。

例えばニノは、ケチでひねくれものの悪評もありますが、2006年に公開されたハリウッド映画『硫黄島からの手紙』に出演を果たし、アメリカなど海外でニノの演技力は高く評価されました。現在も数多くの映画やドラマに出演しています。これは行動力と成果にこだわる現実派タイプの特性ならではともいえそうです。

また、こんなエピソードもあります。2021年5月13日『櫻井・有吉THE夜会』という番組にゲスト出演した際、アポなしで夜に大物先輩に「これから飲みませんか?」と電話を掛けた話が有名です。大物先輩の神対応で番組は丸くおさまりましたが、行動を優先する現実派タイプの特性がわかります。

野球でいえば、中日ドラゴンズで活躍した落合博満監督。2003年に監督に就任すると、一年目でチームをいきなりリーグ優勝させ、その後8年間、リーグ優勝4回、2位3回、3位1回と毎年Aクラスを維持するという快挙を成し遂げます。「勝つことが最大のファンサービス」というコンセプトは、まさに勝利にこだわる現実派タイプの特性です。

戦国武将でいえば、天下統一の礎を築いた織田信長です。桶狭間の戦いで大軍勢の今川義元に勝利したことが有名です。織田信長に「今日は、天気がいいですね」と話しかけたら「馬鹿者、天気がよくて戦に勝てるか」と一喝され斬られてしまいそうです。

「殿、今日こそ、チャンスです。敵将今川義元は桶狭間におります」と勝利に関わることを進言すれば、「でかしたぞ! 的確な情報だ」と褒めてくれるに違いありません。私が調べたところ、今川義元を討ち取った者より、今川義元のいる場所を教えた者に多く褒美を与えたそうです。勝利するために情報を重視していたわけです。

自主性を重んじる。勝つための情報や褒美を用意するのも得策

彼ら3人を見てもわかるように、現実派タイプはとにかく成果を最優先します。一方、行動力はありますが自信過剰になりやすいがゆえに、指示されることを嫌う傾向があります。そのため、人間関係を築くのが得意ではありません。チームのメンバーから孤立してメンバーと上手くいかないこともあります。

現実派タイプの部下に自信を付けさせる方法は、上司のやり方や考えを押し付けずに、自主性を尊重して単刀直入に本題から入って、勝利や完成のための必要最低限の話をすることです。「このプレゼンを任せられるのは君だけだ。こういう反論が出る可能性が高いから、そこを論破する準備しておけば大丈夫だから」といったように。

お子さんの場合は「〇〇ちゃんはきっと勝てるよ。ご褒美あるからね!」と親の期待とご褒美を明確に伝えるとやる気が出て自信が付いていきます。

目標を明確にして、達成後の評価や報酬を明示するとやる気があがり自信がついていきます。キーワードは「成功」や「勝利」です。

もし、部下のニノがミスをしたら?

例えば、もしニノがあなたの部下でありミスをしたとき、どのようにして自信を付けさせればいいでしょうか。ニノが、プレゼン用の資料の納期を守れなかったとします。この場合はまず「二宮くん、ちょっといいかな」と別室へ呼びます。「プレゼン用の資料が間に合わなかったようだけど、事実かな?」と事実を確認します。

するとニノは「ええ、確かに」とそっけない返事が返ってきます。そこで「今回は、どんな問題や懸念があったのだろうか?」とあくまでも事実にこだわります。ニノは、自分の考えをストレートに言ってくるので上司のあなたはひるむことなく、その問題や懸念が結果に結びつくアドバスをします。アドバイスが思い付かないときは、結果をだすためにどうしたらよいか問いかけるのでもいいでしょう。

また、他のメンバーに対して悪気はないにせよ、コミュニケーション不足になっている傾向があります。そのため、納期の遅れは、周りとのコミュニケーション不足の可能性も考えられます。上司として、他のメンバーとコミュニケーションをとることで得られる成果の方が大きいことを伝えてあげましょう。

「二宮くん、他のメンバーの力を借りると、もっとすごい結果があげられるよ」と、さらに成果を出すための手段をアドバイスしてあげると、やる気になって自信が付いていきます。

最後に現実派タイプに自信を付けるポイント
・単刀直入に結果を出すためのアドバイスをする
・仕事や勉強のゴールとご褒美を明確にして任せる
・結果を出すためのコミュニケーション術をアドバイスする

※参考文献:拙著『部下が変わる本当の叱り方』明日香出版社


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