部下や子供の自立を、上司や親が嫌がる!? これ、よくあることです。解決策は?

[ 今度こそうまくいく!自信を無理なくつける方法 ]

いつの間にか自立を喜べなくなるのは、なぜ?

先日、娘から「子供が一人でブランコに乗れるようになった!」と、動画が送られてきました。私にとっても、孫が一人でブランコで遊べるようになったことは成長の証で喜ぶべきことなのですが、なぜが寂しい思いでした。

もうブランコを押してあげることがなくなるのか…、と。本当は喜ぶべき部下や子供や孫の成長を、寂しく思うのは私だけでしょうか。今度孫が遊びに来たら、孫が望まないのに知らず知らずのうちに、ブランコを押しているかもしれません。


そこで質問です。部下が自立してどんどん仕事がこなせるようになっていくとき、上司のあなたはどんな気持ちになりますか。
親であれば、お子さんがどんどん自分でできるようになり手が掛からなくなっていくとき、どんな気持ちになるでしょうか。

部下やお子さんが成長して自立していくことは嬉しい半面、自分が必要なくなるという寂しい気持ちになることも。読者の皆さんの中には、そんなことはないと思う方もいらっしゃるでしょうが、さらにその気持ちがエスカレートすれば、上司は「私は追い越されてしまう」という恐怖感が生まれ「私よりできるようになってほしくない」と考えてしまうこともあります。すると、部下を敵対的にライバル視して、自立するための支援をやめてしまいます。

親の場合、もう一人でできるのに、無意識にあれこれと子供の自立に必要ない指示をしてしまう場合があります。親は心配して言っているつもりが、子供にとってはうっとうしかったり、やる気をなくしたりする言葉になってしまっています。反抗期のお子さんは、なおさら反抗したくなることでしょう。

私が大事な仕事を部下に任せなかった理由

自立とは、自分で考え決断し行動できるようになることです。誰かの指示やサポートがなくても、結果をだせる状態になることです。

そのために上司や親は自立を支援してきたのですが、一方でその支援がいらなくなってくるわけです。すると、知らず知らずのうちに上司や親として自分がいらなくなるという間違った解釈をして、恐れを感じてしまいます。

そうなると自分を守る自己防衛本能が働き、上司や親としての冷静な判断ができなくなってしまいます。結果として部下や子供の自立を支援するどころか、阻む行動に走ってしまうのです。

困ったことに、これが無意識のうちに行われていることが多くあります。自分では部下や子供の自立をサポートしようと意識しているのに、無意識に部下や子供の自立を邪魔するようになってしまうのです。

情けない話ですが私が現場所長だったころ、部下がどんどん成長していきましたが、最後に大事な仕事を任せなかった記憶があります。当然、その部下はあと一歩成長できませんでした。上司失格です。

上司失格、親失格にならないための意外と簡単な方法

上司の仕事は、部下を成長させ組織の目標を達成することです。部下の自立を阻むことではありません。しかし、昔の私はやってしまっていました。

では、上司失格、親失格にならないためにどうするか。
部下や子供の成長について違和感を持ったとき、前回の記事でお伝えした「自分を実況中継する」を実践してください。「あ、私今、部下に嫉妬している」と、自分の考えを言葉にすれば、思考を司る脳、大脳新皮質が機能し出します。

そこでつかさず、「私より仕事ができるようになる部下に嫉妬するのは、もっともだよね!」と自分を妥当だと、承認してあげてください。自分を承認することができれば、上司としての本来の自分に戻ることができます。

そこで「上司の私がやりたかったことは何だったかな?」と自分に問い掛ければ、「私のやりたかったことは、部下を自立させること」だと、本来の自分のやりたかったことを思い出すことができます。

そうすれば、これまでの部下の成長を心から喜ぶことができ、これから自立のために必要な指示を出すことができるようになります。

親の場合も同じ。「私は子供にあれこれと指示を出そうとしている」と実況中継をして自分の状態に気づき、「子供を心配してあれこれ指示を出してしまうのはもっともよね」と自分を承認してあげください。すると、親として本来の自分に戻ることができます。

嫉妬や恐怖を覚える感情は押し殺さなくていい

ここで大切なのは、「部下に嫉妬をしてはいけない」あるいは「子供の成長に寂しさを感じてはいけない」と自分の感情に蓋をしないこと。

人間誰でも、自分の役割や存在がなくなりそうだと思ったら恐れを感じます。だから、そんな自分を責めないでください。

ここまで立派に自立を支援してきました。素晴らしいことです。もし、ここで自分を責めて感情に蓋をしてしまうと、無意識が勝手に自立の邪魔をしてしまうことになります。

この連載でお伝えしている自分を実況中継して自分と向きあうことで、適切な判断や指導ができるようになります。ぜひ続けてみてください。


最後に、嫉妬や寂しさを覚えるのは、部下やお子さんが自立している証拠です。あと少し、部下やお子さんの自立を支援してあげてください。
部下はきっと、あなたの右腕となってチームに貢献してくれます。
お子さんの場合は、たくましい存在になっていきます。


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