人生、可愛がられれば勝ち。余計な意地を捨てやすくするための「考え方」とは?

[ 人生100年時代、今日からできる!後悔しない生き方 ]

年寄りも可愛がられていい。

若いときは一人で生きていると思いがちだが、どうしても人間最後は人のお世話になることは事実。やがて体の自由がなくなり、子供や介護施設のお世話にならざるを得ない。
そんなとき、どんな老人なら気持ちよく世話をしてもらえるだろうか。それは一言でいえば“可愛がられる人”だ。

多くの人は「可愛がられる人なんて、いつでもなれる」と考えるかもしれない。
しかし、5年間施設にいた私の母を看取って確信したのは、若い頃からの心構えや習慣は年老いてもそのまま続くこと。

「お金を払っているんだから当たり前でしょ!」という母の言葉に何度も悲しい思いをした。
「そうじゃないでしょ? ありがとうでしょ!」と何度も諭したが、私の言うことは聞かなかった。もし「いつもありがとう」を口癖にしていれば、もっと可愛がられ気持ちよく暮らせたと思う。

私もまだまだ特訓中だが、可愛がられる人になるために、今からできる心構えや習慣について3回にわけてお伝えしていく。

人に頼ることが恥だと思うほうが恥である。


人に頼みごとをすることに抵抗を感じたりすることはないだろうか。実は完璧主義の性格もあり、私は人に頼みごとをするのが苦手だった。今でもその傾向がある。だから特訓中なのだが(笑)。昔からどんなに苦しくても、人の手を借りることは自分のプライドが許さなかったのだ。

それで、上司にもあまり相談はしなかった。そのことが原因で、私が本当に困ったときに「なんで事前に相談しなかったのか」と上司に冷たくあしらわれた。

きっと可愛くない部下だと思っていたのだろう。今思うと上司の気持ちがわかる気がする。変なプライドを持たずに、ちょっとしたことでも相談すれば可愛がられる部下になれたのかと後悔している。

私を含め多くの人が人に頼ることは“恥”だと思っているかもしれない。こんなことを相談したり頼んだりしたら、自分を見下される、嫌われてしまうと考えてはいないだろうか。

でも、相談しないで何も解決しないことのほうが、よほど恥ずかしいし、周りに迷惑をかけるのではないか。

人間というのは、頼られたほうが嬉しいもの


一方、頼まれる側の気持ちはどうだろうか。もし、目の前に困っている人がいたら助けたくなるのではないだろうか。

人は「優しさ」を本来持っている。助けを求めている人がいれば助けようとする。これは東日本大震災やその他の災害が起きたとき、多くの人が自分のできることをやろうとしたことでも証明された。元々、人は優しい生き物なのだ。

その優しさが発揮されたとき、人は嬉しくなり幸せな感覚を持つことができる。詳しくは専門家に任せるが、この時、幸せホルモンが分泌されているのだろう。

だから、人に頼ることは相手の幸せにつながっている。「持ちつ持たれつ」「困ったときは助け合う」なんて言葉は、人と人とのつながりを深めるためには大切なことなのだ。

さらに「ありがとう」の感謝があれば、幸せホルモンは倍増されるだろう。そんなふうに頼ってくる人なら、誰でも可愛がられるのではないかな。

しかし、相手が困っているかわからないと、その優しさは発揮しにくいことも事実。はっきりわからないと“余計なお節介”になるのではないかと不安になる。

だから困ったときは、はっきりと困っているから助けて欲しいと伝えることが重要。それは、可愛がられる人になる一つの秘訣だ。

人に頼れる人は感謝できる人


私の話をもう一度すると、自分のプライドに意識が向いていると、せっかく助けてもらったことを素直に喜べなくなってしまうのだ。助けてもらったことが自分の落ち度だという考えになってしまう。

すると、助けてもらったことへの感謝を忘れ、自分に対する悔しさだけが残ってしまう。
よく電車で席を譲ってもらった人が、「大丈夫です(お構いなく)」と断るケースがある。これは「私をそんな年寄りに見るなんて、失礼だ」と自分のプライドを優先している。相手の、席を譲ろうとした優しさに気づけないのだ。

少し横道にそれたかもしれないが、人に頼ることは自分の弱さも受け入れること。自分の弱さを受け入れられる人は、素直に感謝の気持ちも伝えられるのだと考えている。

私もやがて席を譲ってもらうときは「ありがとう」と言って一駅でも良いから席を譲ってもらい、降りるときも「ありがとう」と感謝を伝えるようにしたい。人の優しさに気づき大事にする人が、可愛がられる人ではないか。

別の人にだっていい。もらった恩はいつか誰かに返せば良い


人に頼ることで、恩が生まれる。恩返しができるようになったとき、もらった人に返せればいいが、必要としない場合だって多いし、この世にいないこともある。

そんなとき、かつてあなたと同じように困っている人に返してあげてみよう。きっとあなたを助けた人も、どこかで喜んでくれるはず。
見栄を張らずに人に頼むことや有難いことに、素直に感謝する循環がこの世に溢れて欲しい。

繰り返しになるが最後に、心構えや習慣はすぐに身につくものではない。だから今から「頼むべきことは人に頼む習慣」や「人の優しさに気づき感謝する習慣」を少しずつ身につけて欲しい。
そうすれば、年をとるころには可愛がられる老人になって、得する人生を送れるだろう。


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