「We(私たち)視点」こそ、可愛がられるための最強の武器

[ 人生100年時代、今日からできる!後悔しない生き方 ]

100人中99人が「自分ファースト」

人生100年時代を楽しむために「可愛がられる人」になることが大切だとお伝えしている。今回は3回目、「最強の考え方」をお伝えしよう。

しかし、それは極めて難しい「相手の気持ちを理解する」ということ。なぜ、難しいのか。それは「他人ごと」だから。人は「自分ごと」なら真剣に考えられるが「他人ごと」になると後回しにしたくなる。

例えば、誰かと初対面で会う場面をイメージしてみよう。最初に思うことはなんだろうか。「私はどう見られているか」ではないだろうか。

「相手の気持ちがどうなっているか」を真っ先に考える人は少ないはず。人はどうしても「自分ファースト」になり、自分に意識が向いてしまう。

相手のメンタルはボロボロ、大赤字のダブルパンチ


いつものように自戒を込めてお伝えするが、私が昔、建設現場の責任者だった頃、自分の成績を上げるために部下に指示を出すばかりだった。もっとできるだろうといつもイライラしていた。
だから、部下の気持ちどころではない。今思うとなんて酷い上司だと大いに反省している。

その結果、部下はメンタルダウンして現場も大赤字になり、人生初の挫折を経験した。部下の気持ちを「自分ごと」として捉えていなかった結末だ。

当時の私は「できないものはできない。辛いよ!」という気持ちがわからなかったのだ。可愛くない上司だったことは間違いない。

解決策は極めてシンプル。「We(私たち)視点」を持てばいい

その失敗から学んだ「考え方」を提案したい。それは「We(私たち)」視点を持つこと。「私たちはどうしたい?」ということ。「自分はどうしたい?」でも「君はどうしたい?」でもないということだ。

これはコーチングを勉強して行きついた考え方。「I(私は)視点」ばかりだった若いときに、この考え方ができていればと後悔している。


We(私たち)視点を持つと、私たちチームの中にいる部下のことは他人事でなくなる。部下の痛みは私たちの痛みになるので、自分ごとになってくる。だから放っておけなくなるのだ。

しかも部下にとっても良い視点となる。「You(あなた)は、どうしたいの?」と言われると責められている感覚になってしまうが、「We(私たち)は、どうすればいいだろう?」と言われたら、気持ちが楽になり視野が開けてくる。責められる感覚から共に考える自分ごとになるからだ。

家族でも同じこと


一方、家族についても考えてみよう。子どものことを考えているようで親の体裁や都合で子ども達をコントロールしていないだろうか。「I(私)視点」になっている可能性がある。

すると本当の子どもの気持ちを理解するのが難しくなってしまう。結果として、不登校や悪びれるケースにまで発展してしまうとすら、私は懸念している。

そんなとき、私たち家族はどうしたいのかという「We(私たち)視点」を持てばどうなるだろう。
家族全員を意識でき、“私たち”家族としてどの方向に進んだらよいかと考えれば、親も子どもの視点を持つことができ、お互いを思いやり、本当の気持ちをわかろうとするのではないかな。

つまり、仕事だけでなく家庭でも、「We(私たち)」視点は大事なのだ。

「We(私たち)視点」は人間がもともと持っている標準装備

「We(私たち)視点」を持つことで、自分だけでなく相手の気持ちを理解しようとする気持ちが芽生える。
これは人間がもともと持っている優しさという標準装備だ。だから思い出すだけで大丈夫。

ただ、正直に言えば、相手が何に困っていたり迷っていたりという悩みの詳細までは、なかなか把握できないことも多い。

しかし、悲しんでいるか、嬉しいかくらいは、すぐにわかるはず。実はこれで十分。誰よりも私の気持ちをわかろうとしてくれている人に、優しさや思いやりを感じる。相手の気持ちをわかろうとすることが、可愛がられる人になるための一番大事な秘訣なのだ。

「I(私)視点」を持つな、とは言ってない。これも大事な視点

ただ注意してほしいことがある。それは自分を犠牲にしないこと。

相手のことばかりを考えるがゆえに、自分を犠牲にしてしまうことがある。真面目で責任感が強い人ほど、陥ってしまう傾向だ。
いつも「We(私たち)視点」でいなければ、という自分へのプレッシャーは、自分を苦しめてしまう。

24時間365日、「We(私たち)視点」を持て、とは言わない。
自分をいたわることは大事だし、全く好きなことができなくなるのは、精神衛生上よくないし、そんな人生面白くもなんともない。

特に相手が困っているときほど「We(私たち)視点」は問われるのであり、そうでないときは「I(私)視点」で存分に楽しんだり、仕事や勉強に打ち込んだりしてほしい。

最も身近にいるこの人こそ、可愛がれ

3回に分けて、可愛がられる人が得ある楽しい人生を歩めることを伝えてきた。人に頼める人、人の優しさに気づける人、教えてくださいと素直に言える人、相手に関心を持つ人、いずれも『We(私たち)視点』を持った人だ。そんな自分なら自分を可愛いと思えるのではないかな。

最後に自分を可愛がれる人こそ、周りからも可愛がられる人だということをお伝えしたい。そこに楽しい人生100年時代が待っている。


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