
嫌いな人まで好きになってしまう「慈悲の瞑想」で穏やかな心を手に入れる
[ 人生を好転させる潜在意識の活用法 ]
「嫌いな人」が「好きな人」に変わってしまう
前回は、マインドフルネスの「歩く瞑想」についてお伝えしました。
足の裏で大地にキスをしてみませんか? 初心者向けながら効果絶大な「歩く瞑想」
続いて、本日は「慈悲の瞑想」についてお伝えします。
「慈悲の瞑想」は仏教の「ヴィパッサナー瞑想」の中で行われるもの。唱える言葉は、瞑想法によって若干変わりますが、おおよそ下記の通りです。
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「慈悲の瞑想」
私が幸せでありますように
私の悩み苦しみが無くなりますように
私の願いごとが叶えられますように
私に悟りの光が現れますように
私が幸せでありますように
私の好きな人が幸せでありますように
私の好きな人の悩み苦しみが無くなりますように
私の好きな人の願いごとが叶えられますように
私の好きな人にも悟りの光が現れますように
私の好きな人が幸せでありますように
生きとし生けるものが幸せでありますように
生きとし生けるものの悩み苦しみが無くなりますように
生きとし生けるものの願いごとが叶えられますように
生きとし生けるものにも悟りの光が現れますように
生きとし生けるものが幸せでありますように
私の嫌いな人々も幸せでありますように
私の嫌いな人々の悩み苦しみが無くなりますように
私の嫌いな人々の願いごとが叶えられますように
私の嫌いな人々にも悟りの光が現れますように
私を嫌っている人々も幸せでありますように
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ある瞑想者は、嫌いな人の幸せは祈れないと思いながら、形だけ祈っていたそうです。
しかし、長年、慈悲の瞑想を行なっていたある日、嫌いだった人が、自分の好きな人の中に入っているのに気づいたといいます。
私は、それを知ったとき、「え、そんなことってあるの?」と思っていました。
もしかしたら、真剣に長くやっている瞑想者だからこそ辿り着けた境地なのかもしれないと。
研究からも、脳に違いが出ることが解明された
しかし、「慈悲の瞑想」についての研究結果では、慈悲の瞑想を5年以上続けた人と瞑想を始めたばかりの人では、島皮質(大脳皮質の一領域)の活性に違いがあることがわかっています。

島皮質前部には、高等類人猿特有の紡錘形(ほうすいけい)細胞があり、この神経細胞は他人の心を推測し、痛みを共感します。つまり、慈悲の瞑想を長く深く続けた人の方が、他者に対する思いやりの心が養われるのです。
しかも「慈悲の瞑想」は、「セルフ・コンパッション=自分への思いやり」も高めると言われています。
慈悲の瞑想をするうちに、「大嫌いな上司にも、普通に接することができるようになった」「自分が嫌いだったが、許せるようになった」など、様々な変化を感じる人がいるのはこのためです。
目くそ鼻くそを笑う
「目くそ鼻くそを笑う」という言葉は、自分の欠点を棚に上げて、他人の欠点ばかり指摘すること。私たちは、このように「相手と自分は別だ」と分離の意識を持って、対立したり、いがみあったりしています。でもそれは、小さな視点で世界や物事を捉えているから起こることです。
いがみ合っているのは、自分の小さな意識の中だけにとどまっていて起きること。広い視点で見れば、他人も自分も地球の一部、人類皆兄弟なのです。
あなたの指に感情があったとして、その小指は「私は、ピンキーリング(小指用の指輪。コーディネートの幅が広がるアイテムともなる)ができる、小さくて可愛い指。親指のズングリムックリと一緒にしないでほしい」といい、
親指は親指で「俺は、パソコンのスペースキー押したり、ゲームをするとき大活躍している。小指みたいにヒョロヒョロして、何もできない指と一緒にしてほしくない」と言っていがみ合っていたとしたら、どうでしょうか?
どちらにも役割があります。そして、どちらも手の一部であり、個別の存在ではありません。握手をしたり食事で箸を持ったりする時、親指だけでも、小指だけでもダメなのです。両方があってはじめて機能します。同じ手の一部であり、仲間であることに気がついていないのです。

例えば、ある波に感情があるとして、「自分は、左の波のように、どうして波打ち際に大きく打ち寄せられないのか?」と悩んでいたとします。でもそれは意味がないこと。左の波も右の波も全て、海の一部だからです。
右と左で比較して、「あっちの方がすばらしい…」というのは、表面しか見ていません。全ての波が海の一部であり、深い部分でつながりあっていて、切り離すことはできない一つのものです。
優秀な集団でも、同じタイプばかりだと弱くなる
私たち人間も同じです。「私」と「あなた」というそれぞれ別の存在として、分離の感情を味わうことで、対立しいがみあっています。しかし実際は、自分にない個性や特技がある人がいるからこそ、地球はうまく回るのです。
仕事でも、同じタイプの人だけが集まった集団は成果が上がらないと言われています。ピッチャーばかりがいる野球がうまくいかないのと同じ。発想も長所も違うほうが、新しいものを生み出せるのが人間です。

だから、他者と比較して、相手の欠点を指摘したり自分の足りないところを嘆いたりするのは、意味のないことなのです。
どんな人にも良さがあると理解すること、そして、どんな違いがあるように見える人でも、私たちと同じ地球に生まれた仲間であることを、忘れてはいけないのです。
今、私は瞑想会のメンバーと、朝みんなで慈悲の瞑想をすることがあります。世界平和を願っているのです。ただし、真の世界平和とは、まず自分の心の中を穏やかにすること。私たちの心も波と同じです。世の中は繋がっていますから、他の人たちの心まで穏やかになるのです。

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資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら
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