部下や子供の自立を促す伝え方 自立は標準装備。阻んでいるのは実は自分だった…

[ 今度こそうまくいく!自信を無理なくつける方法 ]

目指したい自分の姿はありますか?

本連載では、部下やスタッフ、お子さんにどんな伝え方をすれば、自信が付き自立させることができるかお伝えしています。

ただ、伝える側の人が、なりたい自分をイメージできない人だったり、もう諦めてしまっている人だったりすると、どうなるでしょうか。そんな人から「なりたい自分を目指しない!」と言われても、真剣に受け止めることはできません。多くの人が「NO」と答えるはずです。

それが、部下やスタッフ、お子さんの場合、上司や店長、親から言われる言葉は、空々しくむしろ強制的な言葉にしか感じないはずです。だから、そんな言葉は、自立の応援どころかブレーキになってしまいます。

「私は大丈夫!」と思う方も、できているつもりができていない可能性もあるので、一読をお勧めします。もし、そうだなと思う方は、もしかしたら「そう言われても今さら…」と思われるかもしれませんが、今からでも間に合う勇気が出るお話をしますのでご安心ください。

思い出して! 自立は標準装備 

諦めなくても大丈夫です。思い出してみましょう。
誰でも赤ちゃんのときは、自立の天才だったことを。

誰にも言われなくても、自分のして欲しいことを泣いて表現し、嬉しいときは天使のような笑顔で周りを喜ばせました。いつも目をきょろきょろさせながら好奇心旺盛でした。寝返りを打ったりハイハイしたり、いつの間にか一人で立ったりしたのではないでしょうか。諦めなんか微塵もありません。

赤ちゃんは、「こんなことをしたら、どうなるんだろう…」とか余計な心配をせず、なりたい自分を目指して自立していくのです(生後3カ月の孫を観ていてつくづくそう思います。笑)。

自立というと難しいことのように思いますが、誰でも赤ちゃんの頃から元々持っている標準装備なんです。大きくなるにつれて、周囲や社会の常識に合わせるようになって、なりたい自分がぼやけてしまっただけ。もともと持っている標準装備を使えば、なりたい自分をイメージできます。少し勇気が湧いてきたのではないでしょうか。

部下やスタッフ、お子さんがやる気になって自立することを応援したいなら、自分のなりたい姿を思い出してみましょう。

「伝える」は実は「魅せる」こと

前回の記事の中で、部下やスタッフ、お子さんが自立していくために、こんなふうに理想の未来を語ってくださいとお願いしました。
上司であれば、「チームのメンバーがそれぞれの力を出し合い、助け合いチームのゴールを達成し笑顔で輝き続けているチームにしたい」。
店長であれば、「お客様が楽しい雰囲気の中、私たちのサービスを受け感動して帰っていく。こんなお店にしたい!」。
親であれば、「パパもママも笑顔で仲良くしている家族にしたい」と。

しかし、冒頭でもお伝えしたように、理想のチームやお店、家族を語っていながら、それを実現しようと努力しなければ、部下、スタッフ、お子さんの誰もが、やらされ感が生まれて空しくなります。「なんで自分だけ…??」だと。それでは自立することはありません。

パパとママが仲良くしているから、子供もパパとママと仲良しになる。だから、家族全員が仲良しになる。上司や店長が理想のチームやお店をつくろうと一生懸命にがんばっていると、部下もスタッフも自分のできることをがんばり出します。

伝える側ががんばっている姿を見せれば、言葉で伝えなくても「あんなふうになりたい!」と相手は心を弾ませます。その姿に魅せられるのです。

先ほどもお伝えした通り、誰もが標準装備としてなりたい自分になろうとする力は持っています。曇ってしまった標準装備は、磨き直すだけで覚醒するのです。理想のチームを目指す上司、理想のお店をつくろうとする店長、理想の家族を築こうとするパパとママになっていきましょう。

映画やドラマ、歴史上の理想となる人物をイメージする

どうしてもなりたい自分をイメージできない人は、自分のお気に入りの映画や歴史上の人物を思い浮かべてみましょう。
私のお勧めは、リーダーなら最後まで諦めずにミッションを果たそうとする『トップガン マーヴェリック』のマーヴェリック(トム・クルーズ)。
店長なら、どん底からでも夢を叶えようとする韓流ドラマ『梨泰院クラス』に登場するパク・セロイ(パク・ソジュン)。
父親なら、感動映画の『そして父になる』の野々宮良多(福山雅治)です。
歴史上の人物でいえば、ケネディ大統領が日本で最も尊敬する人と崇めた米沢藩主の中興の祖・上杉鷹山でしょう。

それぞれの主役になりきって、なんちゃってでもいいので演じてみれば、部下もスタッフも、お子さんも、その演技に魅了されるはずです。

伝え方は言葉だけではありません。「見せる」というか「魅せる」ことも伝えることです。上司のあなた、店長のあなた、パパもしくはママのあなたも、自分のなりたい姿を目指して、その姿を部下やスタッフ、お子さんにも「魅せて」あげましょう。その姿が一番伝える力になります。

次回も、自立を促す具体的な伝え方と心構えを紹介していきます。お楽しみに!

(※参考文献:拙著『部下が変わる本当の叱り方』明日香出版社)


人の可能性を最大化させ、日本を再び世界のリーダーにする」という未来実現のために、全国の企業に対し「会社の未来を担う次世代リーダーを育成する」ための活動を行う。
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